リワークプログラム

  • スムーズなリハビリテーションの開始
  • 回復から一歩進んだ、復職後の安定した就労に必要な能力の獲得
  • 復職後に直面した課題にしなやかに対応していく力を身につける

当院では、このような目的でプログラムを実施しています。

当院のリワークプログラムの特色

休職直後から療養の支援を目的とした休職面談を週に一度の頻度で行い、生活基盤の立て直しと体力の回復をサポートします。面談では、復職までの道のりや休職期間の過ごし方、休職に関連する制度などについての情報提供なども行っています。

一定程度に状態が改善し、生活リズムが安定した時点で、リワークプログラムにご参加いただきます。休職されている方の多くが、昼夜逆転や孤立した生活に陥りがちですが、リワークプログラムへの参加を通じて、それらを予防することを目指しています。

プログラムは前期・後期に分かれており、段階的に課題に取り組む事ができます。前期プログラムでは、生活基盤の安定化、意欲・体力の回復、グループ内での居場所作りを目的としています。後期プログラムでは、回復から一歩進んだ、復職後の安定した就労に必要な能力の獲得を目的としています。前・後期プログラムの利用により、休職に至った要因について客観的に理解を深めることで再休職リスクを減らします。

グループで行うプログラムに加え、月に2回程度の個人面談も行なっており、個別の復職への不安やプログラムでの困りごとへのサポートを行なっています。

職場での様子についての情報提供書・月1回の利用状況報告書などを通して、利用者の方の状態について職場と情報共有していきます。

復職後、希望される方はフォローアッププログラムに参加することができます。復職後の問題や悩みを共有することで、復職後の安定した就労の継続を目指します。

当院で実施しているプログラム内容の一例



グループ
ワーク
仕事とは 食事療法 フリートーク 異業種比較
前期
復職者のための
フォローアップ
プログラム
活動記録表
フリートーク

心理教育 プレゼン
練習
WRAP スキーマ療法 記事まとめ
お昼休み


100文字プレゼン
クロスワード作り
新聞記事
まとめ
文芸
コラージュ
集団認知
行動療法
机上作業/
面談

集団認知
行動療法
異業種比較
後期
年表作成 SST 机上作業/
面談
中休み
運動 ストレッチ ストレッチ ストレッチ ヨガ ストレッチ
ストレッチ 粘土療法 けん玉 ヨガ ストレッチ
【前期プログラム概要】
  • グループワーク
    ペアとなった参加者の情報を聞き取って発表する他己紹介では、情報収集に必要なコミュニケーション力と情報を取捨選択する力を養え、さらに、人前で発表する練習にもなります。また、グループごとに1つの架空の会社について、その経営理念・運営方法・人員配置を決定し、全体で発表する会社設立では、グループ内でのコミュニケーションや役割分担を通してリワーク内での居場所の確立とともに、会社運営の理解、自身の勤める会社についての客観的な視点を養います。
  • 100文字プレゼン
    自分の好きなものや趣味などについて、相手が興味を持てるように100文字でまとめます。自分の考えや感情を言語化する練習となります。
  • クロスワード作り
    物事を論理的に理解して構成する力を養い、限られた時間内に完成させる集中力、グループ内での協調性や積極性を回復させることを目的としています。
  • 仕事とは
    仕事にまつわる様々な知識(仕事の歴史・社会保険制度・労働法など)を学び、「仕事」を多面的・客観的に捉え直します。それまでの仕事に対して、より幅広い視点を持つことで、自分と仕事との関係性を考える準備をします。
  • 新聞記事まとめ
    興味を持った新聞記事を要約し、原稿を作成します。一般的な知識や現在話題になっているコンテンツに触れることで、社会と再度関わりをもつ準備を整えます。同時に、文章制作力や集中力の回復も狙いとしています。さらに、グループの中で自分の興味を話すこと、他者の興味を聞くことを通して、コミュニケーションスキルの回復を目指します。
  • 食事療法
    食生活や食行動について学び、「今まで抜いていた朝食を食べるようにする」「サラダを1日1回は食べるようにする」など自身で計画を立て、数週間続けて実行し、その結果を全体で発表します。体調に良い影響がありそうな習慣を取り入れ、自分の食生活を見直すきっかけになります。
  • 文芸・コラージュ
    日常生活で感じたことを思い出し、短歌や俳句を作成します。コラージュでは自由に自己表現をして、カタルシス効果と言われる癒し効果を得ることができます。また、作品を完成させることにより、達成感を得る体験になります。
  • フリートーク
    提示したテーマに沿って、グループで自由に発言します。自分や他利用者の意見を話す・聞くことで、就労するための能力を回復させ、自己理解を深めます。
  • 集団認知行動療法
    ストレスについて知り、それによってどのような問題が生じているのかについて理解を深めていきます。その上で、それらに対処する工夫を知り自己改善を図ります。
  • 異業種比較
    当院のリワークプログラムを経て復職された方の就労状況(業種、職位、給与・待遇、職場の雰囲気、休職の経緯)を参考にして、さまざまな働き方について検討します。具体的には、その仕事のメリット、デメリット、就労継続のための工夫について話し合います。他者の仕事の詳細を知ることで、自分の仕事を客観的に振り返る準備となります。
【後期プログラム】
  • 心理教育
    自己や他者へのコンパッション(思いやり)を育み、レジリエンス(心の回復力)を高める、コンパッション・フォーカスト・セラピーを中心に行います。安定した就労に必要とされる、自己や他者に批判的にならず、状況変化に対してしなやかに対応できることを目指します。
  • 集団認知行動療法
    前期で行った内容を、実生活の中で練習することで知識を深め、復職後もストレスに上手に対処できるようになっていくことを目指します。
  • プレゼン練習
    自ら選択した課題について、日程までにプレゼン資料を作成し、発表を行います。計画的に準備し、周囲に伝える力の回復を目的としています。
  • 異業種比較
    自らの仕事について、他利用者に紹介します。メンバーからの感想や意見を通して、自分の仕事を客観的に把握します。復職後の働き方についてより深く考えるきっかけとなります。
  • WRAP
    調子のいい時の自分・調子が悪い時の自分の状態について考えていきます。そして、調子を崩し始めた時のサインを知り、そのような時にどう対処すべきかプランを立てることで、自分でストレスに対処できるようになっていくことを目指します。
  • 年表作成
    入職から休職までの経緯を振り返ります。自分が休職に至った要因を、本人側と環境側の要因に分けて見つめ直すことで、再休職を予防する工夫を考えます。
  • スキーマ療法
    スキーマとは、心の奥にある自分なりの価値観、信念のことを言います。スキーマがあまりに強すぎると「そうでなければならない」などと自分を苦しめてしまいます。このプログラムでは、まず、自分のスキーマについて知り、自己理解を深めます。さらに、スキーマを和らげることで、復職後にストレスフルな場面に直面した際にも、自分でコントロールできるようになることを目指します。
  • SST
    利用者が勤務していた実際の職場を想定してロールプレイをします。本人役に加えて、上司などの相手役・傍観者役を体験することによって、それぞれの立場での気づきを得ます。さらに、他利用者からのフィードバックも得ることで、より良いコミュニケーション力を身に付けることを目指します。
  • 記事まとめ
    仕事や働き方に関する記事を要約することで、文章作成力や集中力の回復を目指します。また、記事に関連する設問を通して自身の考えを深めます。ディスカッションでは互いの意見を理解することで、今後の働き方について視野を広げていきます。
【復職後フォローアッププログラム】

復職後に直面した課題にしなやかに対応していく力を身につける

  • 活動記録表
    活動記録表の記載を継続することで、睡眠時間や食事など生活の基盤を整えます。特に復職直後では、就労は継続できていても、夜更かしによる睡眠リズムの乱れや疲労で休日は一日中ぐったりして過ごすなど、生活リズムが乱れやすいです。そのような乱れを視覚化することで改善意識を持ち、結果として再休職を予防します。
  • フリートーク
    復職後に直面した困り事や不安などについて、自由に発言します。復職して間もない参加者だけではなく、復職後数ヵ月以上経つ利用者も参加しているため、共感や助言を得ることができます。自ら問題を解決し、主体性を持って生活していく力を取り戻していきます。

利用について

当院通院中の方

診察にて主治医に相談いただき、担当のスタッフがご案内します。

他院通院中の方

現在かかられている病院の診療情報提供書をご持参のうえ、当院にお電話で予約をとっていただきます。

利用日
月曜日~金曜日(祝・年末年始を除く)
利用時間
10:00~16:00

(フォローアップは土曜日14:00~17:00)

料金について

各種保険が適用可能です。自立支援医療制度の適応になる場合もありますので、制度の利用をご希望の方は職員にお尋ねください。

診療
時間
9:00〜12:00
15:00〜18:00

午前:9:00〜12:00
午後:15:00〜18:00

医療法人社団 聴雪会 
かわさきデイケア・クリニック

診療 :
精神科・心療内科・外来診療・デイケア・訪問看護
住所 :
神奈川県川崎市川崎区南町1-8 
林ビル川崎1F
電話 :
044-221-0101
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